放映権料が高騰し、各クラブが豊富な資金力を活かし、世界のトップレベルの選手達を高額な移籍金によって獲得しているプレミアリーグクラブ。
一時期は、多くのイギリス人選手によって構成されていたプレミアリーグであったが、現在ではアーセナルなど多国籍な選手たちで構成されているクラブが目立っている。
もはや、トップクラブでイギリス人が活躍していることのほうが珍しくなってきていると言えるかもしれない。
これは、過去5年間におけるプレミアリーグに移籍してきた選手の国籍を表している。
最も多いのがヨーロッパ人であり、それについでアフリカ人選手が多くなっているのである。
アジア人選手は9名となっている。
これは、詳しい内訳である。
イングランド人が最も高い数値となっており、次いでフランス人が多くなっている。
フランス人が多くなっているのは、ニューカッスル・ユナイテッドが多くのフランス人選手を抱えていることも影響していると思われる。
フランス代表のうち(W杯プレーオフメンバー)24人中12人がプレミアリーグでプレーしている現状も影響しているとかんがえられるだろう。
これは、プレミアリーグクラブがどのリーグから選手を獲得してきているのかを表している。
最も多いのが、プレミアリーグクラブからプレミアリーグクラブに移籍しているケースである。それについでイングランド2部のチャンピオンシップ、リーグアン(フランス)、セリエA(イタリア)となっている。
約48%もの選手がプレミアリーグクラブからプレミアリーグクラブへ移籍しているのである。また、欧州5大リーグであるブンデスリーガ(ドイツ)、リーガエスパニューラ(スペイン)、リーグアン(フランス)、セリエA(イタリア)からの移籍は約20%となっている。
これは、プレミアリーグクラブが年度ごとにどのくらいの選手を獲得しているのかを表している。まずはじめに、メインである夏の移籍が多いことがわかる。2007年夏の移籍市場では、ここ5年間で最も多い移籍選手数を記録したが、年々減少傾向にある。これは、欧州各国の経済状況の悪化や、ボスマン判決による選手の年俸高騰などが影響しているとかんがえられるだろう。
これは、リーグの順位で分けた移籍選手数の差を見たものである。
これを見るとトップ4に入っているクラブにおける移籍数が少ないことがわかる。マスコミから取り上げられる移籍が多いのがトップ4クラブの移籍であるため、非常に多く感じられるが、実際は快クラブのほうが入れ替えが激しく、多くの移籍を手がけていることがわかる。
サッカー選手の移籍には、ピッチの上での活躍が求められているわけではない。
例えば、マンチェスター・ユナイテッドが獲得したMF香川真司は、移籍直後に日本へのマーケティングを強化し、多くのスポンサーを獲得することに成功している。
また、今回ACミランに移籍した本田圭佑は、人気が低迷しているセリエAをアジアマーケットにおいて、より注目させるための重要な起爆剤となると考えられる。
このように、サッカー選手の移籍にはそのクラブにおける「選手としての貢献度」ももちろん期待されるが、クラブのマーケティングにおける「アイコン的役割」も求められているのである。
プレミアリーグにおける移籍選手の国籍等について触れてきたが、Jリーグではほとんどの外国人選手が固定されている現状がある。ブラジル出身選手、韓国人選手がほとんであるだろう。今後、日本のクラブがもっと大きな規模のクラブになるためには、より多国籍な選手達(特に東南アジアの選手たち)を獲得し、そしてその選手たちをアジア戦略のアイコンとして上手く使えるかが、Jリーグの発展の鍵となるだろう。
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