2012/13シーズンの欧州ビッグ5リーグの総収入額は、前年度に比べて5%アップし、9.8billionユーロとなった。欧州全体のサッカー市場は19.9billionユーロとなっており、前年度に比べて2%アップした。
プレミアリーグ(イギリス)は、総収入額2.9billionユーロとなっており、2位のブンデスリーガ(ドイツ)に比べて900millionユーロも多く収入を得ているのだ。
サッカークラブには3大収入源となるものがあり、「入場料収入」「放映権料収入」「広告料収入」となっている。
5大リーグの中でブンデスリーガ以外のリーグが「放映権料収入」が最も割合の高い収益源となっている。その代わりに、ブンデスリーガは「広告料収入」の割合が46%で最も高い割合となっている。
リーガエスパニューラ(スペイン)は、2012/13シーズンから新契約が始まったため、放映権料収入が増加した。しかし、景気の停滞などもあり、「入場料収入」「広告料収入」に関しては、減収であった。
今後については、プレミアリーグとブンデスリーガは、2013/14シーズンからの新放映権料契約を結んだため、2つのリーグとその他のリーグ間により大きな差が生まれると予想される。
ブンデスリーガは、その他のリーグに比べて強固なコストコントロールを行っている。
これは、クラブが選手に支払っている総人件費である。最も人件費が高いのはイングランドとなっており、2.1billionユーロとなっている。ブンデスリーガに関しては、1billionユーロとなっているが、総収入に対する人件費の割合が51%ととなっており、他のリーグに比べて人件費の割合が低くなっている。非常に厳しい独自のクラブライセンス制度を導入しているのが功を奏した形だ。最も高いのがプレミアリーグとセリエAとなっており、71%であった。
リーガエスパニューラは、1999/2000からこれまでの中で最も人件費の割合が低い数値となり、56%となった。レアルマドリードとバルセロナの人件費割合は48%まで上昇したが、それ以外のクラブは66%まで減少したことが影響したと考えられる。
もちろんUEFAが導入したファイナンシャル・フェアプレーが欧州サッカークラブに対して経営の改善をもたらしたとも考えられるだろう。今後は、さらに厳しくなるファイナンシャル・フェアプレーに対して対応していくことが求められる。
【欧州サッカー市場の発展】
欧州サッカー市場は、毎年その規模を大きくしており、2012/13シーズンにおける欧州5大リーグの市場規模は、5%上昇し、9.8billionユーロとなった。つまり、欧州サッカー市場の半分の割合をこの欧州5大リーグのトップディビジョンリーグだけで構成しているのだ。
2012/13シーズンにおける欧州5大リーグの総収入額は、過去最高額を記録した。そして、プレミアリーグとブンデスリーガの新契約が始まる2013/14シーズンには、5大リーグの総収入額が約11billionユーロに達すると予想されている。
これは、その年のリーグ順位とリーグ全体総収入額に対するクラブの収入額の割合である。プレミアリーグに関しては、首位チームがリーグ全体の総収入額の14%となっており、最も割合が低かった。1位と2位のクラブの割合が最も高かったのはリーガエスパニューラとなっており、2チームを合わせるとリーグ全体の半分以上である54%もの収入を上げていることがわかる。
また、リーグ・アンに関しては、パリ・サンジェルマンが非常に大きな割合を占めていることがわかる。パリ・サンジェルマンは、リーグ・アンの総収入額の31%を占めており、リーグ・アン全体の総収入額に大きく貢献していることがわかる。
これは欧州5大リーグの収入構成を表している。
これは、欧州5大リーグの平均観客数を表している。
プレミアリーグの総収入額は165millionポンド(7%)増収となり、2525millionポンドであった。しかし、スターリング・ポンドの価値が低下したためユーロに換算すると1%の増収であった。2012/13シーズンにおけるプレミアリーグクラブの収入増加に貢献したのは「広告料収入」と考えられる。「広告料収入」の割合が全体の30%ととなっており、これは2000/01シーズンから現在までで最も高い割合となった。
201314シーズンには、全ての収入源が欧州で最大となると見込まれている。
【ブンデスリーガ】
ブンデスリーガは、唯一、欧州5大リーグの中で「放映権料収入」の割合が1位ではないリーグである。「広告料収入」「その他」は1年間で5%アップした。
また、このシーズンは初めてドイツ勢同士のチャンピオンズリーグ決勝となり、UEFAからの収入が42millionユーロも増収となった。
DFLは2013/14シーズンから放映権料の新規契約を結んでおり(2部も含む)、毎年628millionユーロの放映権料収入が入ることとなる。これまで、ブンデスリーガは低価格のペイチャンネルなどで放送していたため、5大リーグの中で「放映権料収入」が最も少ないリーグであったが、それが変わろうとしているのである。
バイエルン・ミュンヘン、ボルシア・ドルトムント、フライブルクの平均観客数は減少したものの、「入場料収入」に関しては、28millionユーロの増収となった。
【リーガエスパニューラ】
リーガエスパニューラには2大クラブが存在しており、リーグ全体の半分以上をこの2クラブの総収入額が占めているのである。
しかし、近年の傾向としてレアルマドリードとバルセロナの増収額が6millionユーロ出会ったのに対し、リーグ全体の増収額が77millionユーロとなったのは、リーガエスパニューラ全体にとって非常に良かったことと言えるだろう。リーグ全体の54%を依然として2大クラブが占めているが、これは前年度に比べ、割合が下がってきているのだ。
しかし、スペイン経済の影響もあり入場者数は減少、そして「入場料収入」が減少しているのも事実である。
その対策として新スタジアムを建設するクラブも多く出てきており、アスレティック・ビルバオやアトレティコ・マドリード、またレアルマドリードやバルセロナも検討している。
【セリエA】
セリエAは欧州5大リーグの中で最も放映権料収入に依存しているリーグとなっており、前年度より3%アップし59%も放映権料に依存しているのだ。
セリエAは現在、年間975millionユーロもの放映権料収入を手にしているが、新契約により990millionユーロとなると言われており、欧州で2番目に高額の放映権料収入を手にすることになる。
しかし、「入場料収入」は5%の減収となっており、セリエAでは入場者数の減少が大きな問題となっている。そこで、多くのクラブは独自のスタジアムを保有することを計画しており、ユベントスのユベントススタジアム完成に続き、ASローマが新スタジアムの計画を発表しており、2016/17シーズンから52500人収容の新スタジアムを300millionユーロで建設予定となっている。
【リーグアン】
リーグ・アンの総収入額の増収に関しては、パリ・サンジェルマンが最も貢献しているだろう。オイルマネーがその国のリーグにもたらした例として挙げられるだろう。
多くのスター選手を獲得し、ホームゲームだけでなくアウェーゲームにおいても観客数を増加させることに成功したのだ。
しかし、リーグアンは2012/13シーズンより、それまでの放映権料よりも安い金額で契約を結んだため、年間7%放映権料収入が減少した。
【その他】
ロシアフットボールプレミアリーグは、5大リーグ以外で最も収益を上げているリーグとなっており、前年に比べて260millionユーロも増収となった。2018年にワールドカップが開催されるロシアにとって、国内リーグの繁栄は非常に重要なものとなり、近年の急激な成長により、欧州5大リーグに近づいているのである。
トルコリーグも前年度に比べて増収となった。前年度に比べて24%アップとなり551millionユーロとなった。主な収入源は「放映権料収入」となっており、放映権料収入額は欧州で6番目に高額となっている。
エール・ディビジ(オランダ)に関しては、「入場料収入」と「広告料収入」は減収となったが、「放映権料」の増収が影響し、リーグ全体の総収入額は増収となった。
2013/14シーズンからは、FOX International Channel'sでの放送が決まっており、今後も放映権料収入が増収すると見込まれている。
はじめまして。貴重な動画を見つけました。
返信削除シュツットガルト対ヴェルダーブレーメンの試合です。
バスラー、ヘルツォークがいます。
https://www.youtube.com/watch?v=pc1INegnorM