テクニックがある。熱狂的なサポーター。満員のスタジアム。
そんなイメージがあるのではないだろうか。
今回は、ブラジルの中で最も収益をあげているクラブである「コリンチャンス」について述べようと思う。
上位には欧州のトップクラブが並んでいる中、唯一ブラジルのコリンチャンスが世界で16位にランクインしたのである。
2012年収入内訳
これは、コリンチャンスの収入の内訳である。
TV放映権収入が1番の収益源となっており、それに次いでスポンサー収入がクラブの収益源となっていることがわかる。収入内訳の中にある「会員」とは、ファンクラブ収入、移籍料というのは選手の売却による収入のことである。
5年前のコリンチャンスの収入と比較すると、すべての項目で上昇していることがわかる。その要因としては、観客数の上昇や、試合開始時間にからくりがあるからだと考えられるだろう。
平均観客数は、2007年に比べ伸びたが、2011年に比べると減少傾向にあることがわかる。
その背景には、放映権料が爆発的に上昇していることが絡んでいる。
ウイークデーの試合開始はいままで夜8時だったが、グローボが独占契約すると看板番組のノベーラ(連続ドラマ)の後の時間に変更された。そのことで、ウイークデーの試合開始が夜10時に変更されたため試合が終了するのが真夜中であるため観客数が減少し、TV視聴者が増加したのである。ちなみに、グローボは3年総額で約1000億円で放映権料を購入した。
もちろん、放映権料で収入を得ることができているのであれば問題はないが、もしコリンチャンスが今後より成長するためには「観客を増やす」ということはキーワードになるだろう。
前述したForbesのトップクラブの殆どは毎試合を満員のスタジアムでプレーしている。
観戦者数とスタジアム広告収入は比例し、観戦者数の増加は収益の増加につながるからだ。
そのためブラジルのクラブはどのようにTV視聴者がスタジアムに足を運んでくれるのかを考えて行かなければいけないだろう。
もちろん、放映権料で収入を得ることができているのであれば問題はないが、もしコリンチャンスが今後より成長するためには「観客を増やす」ということはキーワードになるだろう。
前述したForbesのトップクラブの殆どは毎試合を満員のスタジアムでプレーしている。
観戦者数とスタジアム広告収入は比例し、観戦者数の増加は収益の増加につながるからだ。
そのためブラジルのクラブはどのようにTV視聴者がスタジアムに足を運んでくれるのかを考えて行かなければいけないだろう。
【移籍について】
ブラジルでは選手売買が盛んであるため、様々な形の移籍が存在している。
例えば日本ではあまり馴染みのない「共同保有」というシステムだ。
欧州では、イタリアで盛んに行われているがこのシステムは、選手の保有権を1つのクラブで保持するのではなく、2チームで保持するということである。
例えば、今回サントスからバルセロナに移籍することが決まったネイマールの保有権は、以下の通りである。
移籍金が総額5400万ユーロと報道されているため、今回はその値段で分配した。
サントスFCが持っていたネイマールの保有権は、45%しかなく、実際に手にできる移籍金は少なくなってしまっているのである。
これが、「共同保有」のデメリットであるといえるだろう。
高額な選手を売却した際に、100%保有している選手と45%保有している選手では、得られる金額が異なるのはご理解頂けるだろう。
また、ネイマールの保有権をネイマール自身が持っている背景としては、2011年の契約更新の際、サントスはネイマールをクラブに残留させるため、約5億円という莫大な年俸を支払うことになったが、クラブの財政事情が悪化したため、資金を得るためにネイマールの移籍の“権利”を本人に売却したということである。
それはさておき、「共同保有」のメリットとしては、若い選手に対して大金を支払うことはリスクが高いため、半分ずつ、もしくは3分の1ずつ、4分の1ずつと共同で保有権を獲得する事でその選手が失敗した場合のリスクを分散する事ができるということが言えるだろう。
少し複雑なシステムではあるが、うまく活用出来ればサッカークラブの発展にとって重要な戦略の一つとなりえるだろう。
これは、コリンチャンスが移籍期間中にどのくらい選手獲得に投資し、選手売却で金銭を得たかを表したものである。
2007年から2011年までのコリンチャンスは、主に選手を売って儲けを出し、その儲け以内で選手を獲得するということをやってきた。
しかし、2012年をみてもらうとわかるが、コリンチャンスは投資をするようになったのである。
この移籍金額の背景には、アレシャンドレ・パトの獲得などがあるが、前述のとおり、コリンチャンスは収入額が増えたためこのような投資が容易になったのだと考えられる。
また、ブラジル経済の発展や石油・バイオマス資源もその背景にあるだろう。
ブラジルワールドカップや、リオオリンピックを控えるブラジル。
サッカー王国として、どのような結果を残すことができるのか。もしこの大会で優勝することが出来ればブラジルでは大フィーバーになり、観客数上昇や収入の上昇など良い方向に進める可能性も秘めているため、ブラジルにとって2014年、2016年は最も重要な年の一つとなるだろう。
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