2017年9月4日月曜日

Blue is The Colour, Football is the Game? : Chelsea



2016/17シーズンは、チェルシーにとって、そしてアントニオ・コンテにとってプレミアリーグの考え方をも変えた最高のシーズンとなった。
開幕3連勝と好調なスタートを切ったものの第4節に格下であるスウォンジー・シティと引き分け、その後リバプール、アーセナルとの直接対決に破れ、順位を7位まで落とし、コンテの去就の噂まで広がった。

しかし、10月に入り、大きな変化を加えたことでチームが躍進した。それは、現在のプレミアリーグの多くのクラブが採用した3バックへの変更であった。
7節のハル・シティ戦から3バックを採用し、そこからなんと5連勝、しかも16得点0失点という圧倒的な強さを見せ、一気に首位戦線にのし上がったのだ。
このブログでは、戦術的なことは取り上げてこなかったが、このシーズンのチェルシー、そしてアントニオ・コンテの戦術はサッカー界に新たな旋風を起こしたといえるだろう。イバノビッチではなく、アスピリクエタを起用したことが目指す方向性を明確にしたといえる。


さて、2015/16シーズンは、アブラモビッチがチェルシーを買収してから、最低のシーズンとなった。プレミアリーグでは10位となり、ここ20年間の中で初めてヨーロッパへの挑戦権を失ったのだ。しかし、アブラモビッチのお家芸とでも言えるだろうか、監督更迭の決断は早かった。そして、その結果、“あの”モウリーニョからアントニオ・コンテへの監督変更が功を奏したのだ。

しかし、やはり結果が出なかったことへの代償は大きかった。
Profit before taxについては、2015/16シーズンでは、£-21.3mであったが、2016/17シーズンでは£-70.6と大赤字のシーズンとなった。
しかし、これはチェルシーがユニホームスポンサーの変更に際して発生した違約金が絡んでくるため、違約金を除外すればProfit before taxは、£5mとなるのではないかと考えられる。


実際に、2015/16シーズンに比べて約£15mの増収となっており、Matchdayの収入は減少したものの、Commercialは横浜ゴムがメインスポンサーになったことも影響し、£9mの増収となり、£117mを記録した。また、放映権料については、プレミアリーグでの順位が影響して約£12mの減収となったが、チャンピオンズリーグの放映権料が約£20mを獲得することができ、トータルでは約£7mの増収となった。

さらに、選手の売却により約£49mを得ることができた(ペトル・チェフ、モハメド・サラー等)
しかし、給与については、£7m上昇し、£222mを記録。それだけでなく、経済の影響も受け、約-£70mという2015/16シーズンで全クラブの中で最も悪いファイナンシャルパフォーマンスを記録した。

ロマン・アブラモビッチがチェルシーを買収して以来、黒字で終えたシーズンは2シーズンのみとなっており、総額£753mの赤字を記録している。


その内訳の約1/3が特別損益項目となっているのだ。
スポンサーの早期解除による違約金だけでも約£93m、2番目に多いのは、解雇した監督への違約金の支払いとなっており約£69mとなっている。
 しかし、結果が出なくなった監督の、見切りを早期でつけることで結果を残してきただけでなく、適切なタイミングで選手を売却したことによる巨額な移籍金収入を手に入れることができたのも事実である。

実際に、選手の売却により平均約£13mの利益を作り続けただけでなく、ここ3年では平均約£52mという利益を作り続けたのだ。

例えば、ラミレスを江蘇蘇寧に約£25mで売却しただけでなく、ダビド・ルイスをPSGに約£40mで売却(後に再獲得)、フアン・マタを£32mで売却するなど、£15mを超える移籍金収入をコンスタントに記録した。
その結果、直近3年間で約£155mの移籍金収入を記録したのである。

他クラブの場合、アーセナルが約£38m、マンチェスター・シティが約£35m、マンチェスター・ユナイテッドが£21mとなっており、チェルシーが圧倒的な移籍金収入を得ていることがわかるだろう。


その後もオスカルを約£60mで売却に成功するなど、とあるクラブの監督とは異なり、主力選手であろうとも金額を積まれれば売却を拒まないスタイルがチェルシーの基礎を支えているのかもしれない。


次は誰が売却されるのかにも注目したい。

2015年3月2日月曜日

日系企業とプレミアリーグ〜横浜ゴム×チェルシー〜

プロサッカークラブにとって大きな収入源の一つであるメインスポンサーの獲得は非常に重要なものである。
Repucom社は、ヨーロッパのトップ6リーグにおける年間ユニホーム・スポンサー料が20%上昇し(£85.7m)£475millionとなった。その中でも、プレミアリーグにおいては、前年度比36%アップとなっており、2014/15シーズンでは£156millionとなった。その背景には、マンチェスター・ユナイテッドがChevroletGM社)とのユニホーム・スポンサー契約を締結し、年間£50mという契約を結んだことが背景にある。


Repucom社によると、ここ15年間でヨーロッパのトップリーグにおけるスポンサー契約料の増加が著しくなっており、特に海外の企業からのスポンサー契約が増加していると発表している。

プレミアリーグのクラブにおいては75%のクラブが、リーガエスパニューラに次いで第2位の海外の企業とユニホーム・スポンサー契約割合となっているのである。


特に中東の企業の投資金額はずば抜けている。今シーズンにおけるUAEとカタールからのスポンサー契約料は2カ国だけで£117.4mとなっている。


そんな中、プレミアリーグのチェルシーのユニホーム・スポンサー契約を結んだのが日本の企業である横浜ゴム株式会社(Yokohama Rubber Co., LTD)であった。5年総額約£200mの契約となっており、年間契約料は£38mとなっており、さらに成績次第で、ボーナスとして£30mが支払われるという契約である。
この金額は、プレミアリーグではマンチェスター・ユナイテッドに次いで、第2位の契約料となっている。
※エティハド航空は、売上高は掲載されていたものの、利益については掲載なし

これは、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、マンチェスター・シティ、アーセナルのユニホーム・スポンサーの企業とその企業の売上高、そして利益である。横浜ゴム株式会社とその他の企業を比較すると売上高に関しては、エティハド航空航空とさほど変わらないことがわかる。横浜ゴム株式会社は、ここ3年間売上を増加させており、好調な企業であると言えるだろう。また、横浜ゴムはドイツのコンチネンタルタイヤの輸入元ともなっており、世界ではヨコハマタイヤとして認識もされている。

コンチネンタル社は、2006FIFAワールドカップドイツ大会で初めてオフィシャルパートナーとなり、それ以降FIFAが世界中で開催する公式試合のスポンサーとなり、2010年大会以降はオフィシャルスポンサーとなり、2014年大会もオフィシャルスポンサーとして大会を支えた。コンチネンタル社との関わりがもたらした契約であるかは分からないが、このようなつながりがあったのも事実である。

日系企業の中で横浜ゴム株式会社と同規模、もしくはそれ以上の規模である企業は多く存在しており、またその中でも様々な企業がスポンサードをしている。

例えば、TOYOTAは過去に、バレンシア(スペイン)やフィオレンティーナ(イタリア)、ベシクタシュ(トルコ)などのスポンサーをしていた。また、クラブスポンサーだけでなく、大会名のスポンサーにもなっている。クラブワールドカップはTOYOTAカップと呼ばれており、またその他ではCONMEBOLが主催する国際サッカー大会であるコパ・リベルタドーレス杯のオフィシャルスポンサーとなっており、コパ・ブリヂストン・リベルタドーレスとなっている。

しかし、近年の傾向として日系企業のスポンサー件数が減少していたことも事実である。
ビッグクラブのスポンサー料は非常に高額ではあるものの、中位、もしくは下位のクラブに関して言えば、Jクラブとさほど変わらないスポンサー料で契約を結ぶことも可能であるのである。プロサッカークラブのスポンサーをすることで、サッカーファンからの認知度があがることが期待され、その中でも世界で最も視聴者の多いリーグであるプレミアリーグのクラブのスポンサーをすることは企業にとって非常にメリットがあるものであると考えられる。


そんな中、世界のトップクラブであるチェルシーのスポンサーとなった横浜ゴムは、今後、世界中のサッカーファン、チェルシーファンの目に止まり、世界中でその企業名が見られるようになるだろう。また、ビッグクラブのスポンサーだけでなく、中位・下位クラブのスポンサーに関しても、ビッグクラブとの対戦ができるクラブであれば日本国内においても、放映される可能性が高くなるため非常にメリットのある投資となると考えられる。
また、アーセナルなどのビッグクラブのスポンサーが日系企業であったかつてのプレミアリーグの状況が再び見られる日が来るかもしれない。


2015年1月25日日曜日

Shakhtar Donetsk


シャフタール・ドネツクは、ウクライナのドネツクを本拠地とするサッカークラブである。
ウクライナがソビエト連邦の一部であった1936年に創立された。ドネツクは以前からドネル炭田で潤う都市であり、チーム名のシャフタールは「鉱夫」「炭鉱・鉱山労働者」のことをである。旧ソ連リーグ時代には1961年、1962年とカップ戦で連覇を果たした。
ソビエト連邦の崩壊とウクライナの独立に伴い、1992年よりウクライナ・プレミアリーグが発足すると参加し、積極的な投資により2001-2002シーズンにFCディナモ・キエフの10連覇を阻止し、リーグ戦初優勝を果たした。


オーナーはウクライナ随一の大富豪であるRinat Akhmetov氏の積極的なクラブ投資により、現在のところ東欧で最も資金力のあるチームとして知られている。

旧ソ連崩壊後、製鉄業や炭田の経営権を手中に収めた新興財閥SCM Holdingsのトップである。金融や通信、マスコミなどを傘下に持ち、米経済誌「フォーブス」の長者番付では、総資産126億ドル(約1兆2600億円)とも言われている。
長年、ロシアに近いヤヌコビッチ前大統領や旧与党を資金面で支えてきた。

近年の傾向として、シャフタール・ドネツクを経由して欧州ビッグクラブに向かう選手が多い。

例えば、マンチェスター・シティに所属するMFフェルナンジーニョやチェルシーに所属するMFウィリアン、ドルトムントに所属するMFヘンリク・ムヒタリャンなどがいる。

ドルトムントに売却したMFヘンリク・ムヒタリャンは、メタルルフ・ドネツクから£5.15millionで獲得し、3年間所属した後、£24.2millionでドルトムントに売却した。
また、現在マンチェスター・シティに所属しているMFフェルナンジーニョは、2005年にアトレチコ・パラナエンセから£6.86millionで獲得し、£35.2millionでマンチェスター・シティに売却している。

シャフタール・ドネツクは、多くのブラジル人選手を獲得し、またその選手を育成した後に強豪リーグ・クラブに売却を成功させている。
また、これは2013シーズン、2012シーズンにおける移籍市場での収支である。両年度において、選手の売却額が獲得額を上回っていることがわかる。主力選手を売却し、新たなブラジル人選手をブラジルから獲得することで、チームの強化と収支をコントロールしているのである。
ブラジル人選手が欧州に移籍する際に、考える点として現マンチェスター・シティ所属のフェルナンジーニョは、「ブラジル人若手選手が欧州に移籍する際の目的は、金銭的なものである」と述べている。しかし、フェルナンジーニョが欧州に行く際には、「このクラブに3年以上所属することはイメージできなかった。なんせ、ウクライナという国が未知だったから」と述べているように、やはり最初は抵抗があったことも明らかにしている。

現在も、MFアレックス・テシェイラやMFベルナルジ、FWルイス・アドリアーノらも所属しており、今後も多くのシャフタール・ドネツク出身選手が欧州サッカー界で活躍するだろう。






2014年11月28日金曜日

MLS(メジャーリーグサッカー)


1996年に10クラブによるメジャーリーグサッカー(MLS)は発足した。1998年から12クラブとなったが資金難から2002年に10クラブに戻した。2005年からエクスパンションが始まり、2009年には15クラブ、2010年には16クラブ、2012年には19クラブまで拡大した。
2013年の7月に行われたMLSオールスターゲームで、コミッショナーであるドン・ガルバー氏は2020年までにチーム数を24チームに増加させるプランを発表した。

オーランドとニューヨークに新たなフランチャイズを設け、2015年からニューヨークシティFCとオーランドシティSCMLSに加わり、合計で21チームまで増加することになった。


メジャーリーグサッカーに所属するクラブの収益はシアトル・サウンダースの約50millionドルが最高となっており、最も少ないクラブは約15millionドルとなっている。リーグの規模としては、J1と同じ、もしくはJ1よりも小さいと言えるだろう。

しかし、各クラブの利益を見てみるとシアトル・サウンダースが約18millionドルの利益を上げていることがわかる。リーグ全体では約2millionドルの黒字となっている。

アメリカの4大スポーツとMLSを比較してみると、その規模は大きな差があると言えるだろう。
利益率も、4大リーグと比較してみると大きな差が見られるが、アメリカのプロスポーツリーグの特徴として、赤字のリーグが存在していないことがわかるだろう。


MLSのマーケティング
2002年、自前のサッカー専門のマーケティング会社であるサッカーユナイテッドマーケティング社を設立し、アディダス社との総額1.2億ドルなどの大型契約を締結するなど、近年著しくビジネスの側面が急速に成長してきている。富豪のオーナーによってインフラ整備は進み、各クラブ、自前のサッカー専用スタジアムを保有することで経営の安定と成長を図っている。また、アメリカンフットボールのスタジアムをホームスタジアムとして使用するクラブも存在している。稼働時間が極端に少ないアメリカンフットボールのスタジアムを有効活用することに成功したのである。