シャフタール・ドネツクは、ウクライナのドネツクを本拠地とするサッカークラブである。
ウクライナがソビエト連邦の一部であった1936年に創立された。ドネツクは以前からドネル炭田で潤う都市であり、チーム名のシャフタールは「鉱夫」「炭鉱・鉱山労働者」のことをである。旧ソ連リーグ時代には1961年、1962年とカップ戦で連覇を果たした。
ソビエト連邦の崩壊とウクライナの独立に伴い、1992年よりウクライナ・プレミアリーグが発足すると参加し、積極的な投資により2001-2002シーズンにFCディナモ・キエフの10連覇を阻止し、リーグ戦初優勝を果たした。
オーナーはウクライナ随一の大富豪であるRinat Akhmetov氏の積極的なクラブ投資により、現在のところ東欧で最も資金力のあるチームとして知られている。
旧ソ連崩壊後、製鉄業や炭田の経営権を手中に収めた新興財閥SCM Holdingsのトップである。金融や通信、マスコミなどを傘下に持ち、米経済誌「フォーブス」の長者番付では、総資産126億ドル(約1兆2600億円)とも言われている。
長年、ロシアに近いヤヌコビッチ前大統領や旧与党を資金面で支えてきた。
近年の傾向として、シャフタール・ドネツクを経由して欧州ビッグクラブに向かう選手が多い。
例えば、マンチェスター・シティに所属するMFフェルナンジーニョやチェルシーに所属するMFウィリアン、ドルトムントに所属するMFヘンリク・ムヒタリャンなどがいる。
ドルトムントに売却したMFヘンリク・ムヒタリャンは、メタルルフ・ドネツクから£5.15millionで獲得し、3年間所属した後、£24.2millionでドルトムントに売却した。
また、現在マンチェスター・シティに所属しているMFフェルナンジーニョは、2005年にアトレチコ・パラナエンセから£6.86millionで獲得し、£35.2millionでマンチェスター・シティに売却している。
また、これは2013シーズン、2012シーズンにおける移籍市場での収支である。両年度において、選手の売却額が獲得額を上回っていることがわかる。主力選手を売却し、新たなブラジル人選手をブラジルから獲得することで、チームの強化と収支をコントロールしているのである。
ブラジル人選手が欧州に移籍する際に、考える点として現マンチェスター・シティ所属のフェルナンジーニョは、「ブラジル人若手選手が欧州に移籍する際の目的は、金銭的なものである」と述べている。しかし、フェルナンジーニョが欧州に行く際には、「このクラブに3年以上所属することはイメージできなかった。なんせ、ウクライナという国が未知だったから」と述べているように、やはり最初は抵抗があったことも明らかにしている。
現在も、MFアレックス・テシェイラやMFベルナルジ、FWルイス・アドリアーノらも所属しており、今後も多くのシャフタール・ドネツク出身選手が欧州サッカー界で活躍するだろう。